COLUMN
劇的な成果をあげる「本質的な課題解決」のアプローチ法【社長コラム】

CATEGORY:7.イノベーション

TAG:小林広治 戦略 生産性革新

DATE:2018.10.13

劇的な成果をあげる「本質的な課題解決」のアプローチ法

おはようござます、キズナキャスト小林です。

前回、未来に対する思考として、以下の2つをご紹介しました。

■1.The Forecasting Approach(積み上げ思考)

■2.The Backcasting Approach(未来逆算思考)

 

もう一度簡単にご説明すると、
■1.The Forecasting Approach(積み上げ思考) は、
今を起点に、目の前の課題を解決しよう、というアプローチ

それに対して

■2.The Backcasting Approach(未来逆算思考) は、
未来を起点に、逆算的に課題の解決を考える、というアプローチ

です。

今日は、この■2.The Backcasting Approach(未来逆算思考) のアプローチ法が、課題解決すべき場面において、より本質的かつ劇的な成果をあげる強力なアプローチ法、だということをお伝えします。

個人的な話になりますが、事例をご紹介したいと思います。

実は私は、中学くらいからどんどん両親のことが大嫌いになり、高校を卒業したその春休みに、置き手紙1つでどこに行くとも言わずに家を飛び出しました。

そして、一人上京し、新聞配達をしながら、予備校に通い、そして大学に合格しました。

また、その後も新聞配達を続け、自分で学費を稼ぎ、親には金銭的援助を受けることなく、大学を卒業することもできました。

私は、こよなく「自由」を愛する性格なので、親からの束縛や、親の恩着せがましい言動が我慢ならなかったというのが、家を飛び出した一番大きな理由です。

ただ、大人になっていく過程で、ある種の諦めや、過去に対するわだかまりも少しづつ小さくなってきたので、敢えて過去の不満や親への不信感に蓋をして、その後、両親とは形式上の付き合いを何年も続けてきました。

ただ、2年ほど前から、フトした瞬間に、この親子の関係性が、少なからず自分の子育てや、自分の日々の言動、そしてビジネスに対しても影響しているのでは、ということに気づき、もう一度両親と向き合って、関係性を修復しようと考えるようになりました。

そこで最初は、私が「原因解決型アプローチ」と呼んでいる方法をとりました。これは、■1.The Forecasting Approach(積み上げ思考) に近い思考法です。

まずは「不満足な現状」という課題に対して、過去に遡り、この現状を生み出してしまった原因を追求し、その原因を解決すれば、現状が打開できるのでは、というアプローチです。多くのケースでは、この方法が試されているのではないでしょうか。

しかし、この方法論には2つの大きな課題がありました。

1つ目は、そもそも原因の特定が難しい、ということ

2つ目は、犯人探し的になり、ネガティブな思考に陥りがち

ということです。

1つ目について説明します。

まず私は、母親と向き合い、なぜ当時のような言動に至ったのか、本人の自覚はあったのか、という対話から入りました。

そうすると、父親との関係性の問題が見えてきました。

そこで、次に父親と対話しました。

「かあちゃんは、こうこう言っているけど、そういうことは事実あったの?」

「なぜその時、そういう発言になったの?」

そうすると、その母親の言動を生み出した原因となった父親の行動のさらに前に、母親側の原因となった行動が見えてきます。

そこで、また母親と対話します。

「この間かあちゃんはとうちゃんのことを言っていたけど、とうちゃんはその前にこういうことがあったと言っているけど、それは事実なの?」

「なぜその時、そういう発言になったの?」

・・・

これを何回か繰り返しました。

最初の考えでは、これを何回か繰り返していけば、一番最初の根本的な課題が見つかり、その時はちょっとした些細な出来事だったかもしれないが、そのすれ違いを今なら正すことができ、そうすればその後の問題も解決でき、今の関係性が回復できる、という算段でした。

しかし、これを繰り返しているなかで、本当にその最初の根本的な課題が特定できるのか??という気がしてきました。

なぜならば、二人にとってかなり古い話になるので、そこを遡って話をしても、そもそも時間軸が曖昧であり、どちらが先か、後か、のようなものに正確性が担保できないこと。

そして、その都度感情的な側面もあり、それが記憶を歪めてしまっている可能性も否定できませんでした。

また、2つ目の理由になりますが、このアプローチを続けていると、どっちが悪い、あっちが悪い、という思考になってしまい、非常にネガティブな空気感が漂い、このような状況で、お互いの関係性が修復できるのか?という疑問が湧いてきました。

そこで、このアプローチでは成果はあげられない、という結論を下しました。

その次に考えたのが、私たちがコンサルティングの現場でも多くの成果をあげている「理想的未来型アプローチ」という方法です。これは、まさに■2.The Backcasting Approach(未来逆算思考) のアプローチになります。

このアプローチでは以下のように考えます。

・現状の不満はたくさんある。過去も色々あった。でも、それは今更変えられないし、まずはそれを受け入れよう。

・現状は満足できる状態ではないが、5年後、10年後にこうなっていたら最高によくなくない?

・そのためには、これから、今から、お互いに何ができる??

これは、カナダの精神科医エリック・バーンの言葉
「他人と過去は変えられない。しかし、自分と未来は変えられる。」
にも通じます。

このアプローチだと、お互いの「理想的な未来」について語るところから始められるので、ポジティブな思考で対話を進めることができます。

「ひと」は、本当は「ポジティブな未来」が大好きなんだ、と感じます。だから、人の夢などを聞くのは楽しいのだと思います。

このアプローチでの対話は、まだ始めたばかりですが、たった1回の対話で、母親との関係性の修復も大きく進み、すでに大きな成果を上げ始めています。

今のところは、まだ私と母親、私と父親という断片的な対話しかできていませんが、年内にはこれを家族5人で話し合う場を設けたいと考えています。そこで、お互い共通の「理想的な未来」を描くことができれば、小林家は確実に修復に向かって、動き出せるという手応えが今あります。

なので、また機会があればこの結果をご報告したいと思いますが、結論として言えるのは、■2.The Backcasting Approach(未来逆算思考) である、「理想的未来型アプローチ」は、会社やビジネスだけではなく、個人的な問題解決の手法としても大きな成果を上げられそうだ、ということです。

もしあたなが、いま「理想的な状態」でなかった時に、

「なぜ、いま理想的な状態にないのか?」
「その原因は何か?」
「何がわるかったのか?」
「誰が悪かったのか?」

という「原因解決型アプローチ」だと、その原因を誰かのせいにして、その誰かに依存し、結果ネガティブ思考に陥り、よき変化を止めてしまいます。

これを脱却し、本当の「理想的な未来」に向かって、人生を歩み始めるためには「理想的未来型アプローチ」が有効です。

それは私自身がこの10年間ビジネスの現場で見つけ、多くの成果を上げてきた方法でもあります。

ぜひ、個人的な課題についても、会社やビジネスの課題についても、この「理想的未来型アプローチ」で考えてみてください。

劇的な成果をあげる「本質的な課題解決」ができはずです。

 

そして、『いきいき!わくわく!働ける未来』へ。

ご参考になれば幸いです。

以上、キズナキャスト小林でした。

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今回の主な論点

①The Backcasting Approach(未来逆算思考) が、より本質的かつ劇的な成果をあげる
②「原因解決型アプローチ」は、原因の特定が難しく、犯人探しになりがち
③The Backcasting Approachは、「理想的未来型アプローチ」
④「他人と過去は変えられない。しかし、自分と未来は変えられる。」

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